台湾は見えるか
「晴れた日には台湾が見える」
ガイドブックでよく見かける与那国の紹介の一文ですが、本当に台湾は見えるのだろうか?
実は私もこの一文に誘われて与那国を訪れた人間の一人なのです。しかし残念ながら8度目の訪問までは一度もお目にかかることは出来ませんでした。
日本の最西端とは言え、台湾までは約110キロあるわけで、そう簡単には見えるものではないようです。
仮に台湾全土が全て見渡せたとすれば、西崎沖の北西から南西へ約110度の角度に展開しているはずです。
勿論これはあり得ない話ですが、とにかく島影が少しでも見られれば、これは大変ラッキーな事には違いありません。
一番見えやすいのは夏から秋の台風や寒冷前線通過して、淀んだ空気を吹き飛ばした後の夕方あたりと言う話です。
その時期を狙って行き、のんびりと待っていればあなたもきっと見られるはず…。
そして遂に9度目の訪問で台湾が見えた。
来島9度目にしてついに台湾を「キャッチ」しました。
99年9月11日〜12日に“渡難”した際、この目でようやく見ることが出来たのです。
この年は比較的良く見えた年らしく、地元の新聞などにもほぼ全景が捉えられた写真が掲載されていました。すでにこの時点で7〜8回“お目見え”していたそうで、そう言う意味では見える可能性は高かったわけです。
最初に西崎から見た時から、その島影は見えていました。しかし雲なのか、光線の加減なのか、確証がもてなかったのです。
しばらく見ていると手前にある雲に隠れて見えなくなってしまい、やはり違うのかなあと思いつつもその黒い影を目に焼き付け、記憶しておきました。
そして翌朝もう一度西崎に登って眺めてみると、それは昨日と同じ場所によりくっきりと稜線を描いていたのです。
この時はさらに南北に稜線が延び、威風堂々とした巨大な島の一端を垣間見せていました。
しかし見えていたのは朝の10時頃までで、やがてもやの中に姿を消してしまいました。
僅か2日間の滞在で、両日ともに見ることが出来たのは大変ラッキーでした。(残念ながらこの時の写真は標準レンズでの撮影で不鮮明なので、掲載していません)
写真上:見えていればこのあたり一面に…
写真下:島在住の仲嵩貫一さんが随分以前に撮影されたもので、驚くほど間近に、そして鮮明に写っていますね。(これほど凄い写真は他に見たことがありません)
デジタルカメラが無い頃、台湾の写っている写真は、与那国でもあまり見ることは出来ませんでした(当時は久部良の与那国観光ホテルにある…との情報をもとに見せてもらったこともあります)。
しかし最近では空港のレストラン、売店などに多くの写真が掲載されていて、身近に感じるようになりました。(2013年5月加筆)
2013年5月 一部更新。
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